アパートで孤独死。リフォームはどうすればいいのか?
2024/03/312024/04/04
■アパートで孤独死。リフォームはどうすればいいのか?
こんにちは!
この記事は、所有するアパートやマンションで「孤独死」がおきてしまった大家さんのために投稿しました。
ご存知のとおり、日本は超高齢化社会に突入しています。
その為空室対策の一環として、高齢者可で入居募集している大家さんが増加傾向にあります。
もし!
あなたのアパートで孤独死がおきてしまったらどのような対応、その後のリフォームをすればいいのでしょうか?
当然ですが孤独死はいつおこるかわかりません。
自己物件になる前に、あなたの大切な不動産という資産を守るためには、予備知識が必要になってきます。
・なぜ孤独死が増加傾向しているのか?
・孤独死が起きる前の対策とは?
・孤独死がおきてしまった時の対処法とは?
・どこをリフォームするべきか?
を解説していきたいと思います。
「高齢者可」で入居募集している大家さんは読み進めてくださいね。
■なぜ孤独死が増加傾向しているのか?
先述しましたが、日本は超高齢化社会に突入しています。
孤独死・孤立死が増えている原因は、核家族が増えたことで、離婚や死別により1人暮らしとなってしまうためです。
さらに、地域の活動に参加せずに関りをもちたくない高齢者も多いため、孤独死となるケースも少なくありません。
このような背景を大家さんとして理解しておくことも重要です。
■孤独死が起きる前の対策とは?
現代は中古・築古アパートの空室が増加傾向にあることをご存知でしょうか?
それは、人口が減少しているのに相続税などが絡み、大手ハウスメーカーが新築アパートをバシバシ建てているためです。
あなたのエリアに新築のアパートが建つと、物件をさがしている「見込み客」がどうしても新築アパートに流れてしまいます。
新築のアパートはターゲット層を「高齢者」にする必要性がなく、若者から中年層・ファミリー層に人気があり自然と入居してくれます。
このような理由から、中古・築古アパートを所有する大家さんは新築のアパートに引けをとらない対策の一つとして、「高齢者可」で入居募集している大家さんが増えています。
たしかに高齢者可での入居募集は空室対策に非常に有効です。
しかし、高齢者に賃貸する以上対策や予防を施す必要があるのは言うまでもありません。
それでは、どのような対策・予防をほどこす必要があるのでしょうか?
対策①孤独死保険に加入する
先述したとおり、近年孤独死が増加しているため、孤独死保険に加入する大家さんが増えてきています。
孤独死保険とは、「家賃の損失・居室の原状回復・リフォーム費用」など、孤独死が原因で生じる金銭的損失を補償する保険になります。
損失リスクを回避するための保険になります。
対策②加入している保証会社に孤独死保証がついているか確認する
「保証会社に加入しているから大丈夫!」と思っている大家さんもいると思いますが、孤独死保証がついていない契約をしていることがあります。
加入している保証会社に今一度確認し、加入していない場合は契約内容の変更手続きが必要になります。
孤独死保証の特徴として、
・滞納分の家賃を立て替えてくれる
・部屋のリフォーム・原状回復を負担してくれる
・残置物の撤去にかかる費用も負担してくれる
・空室期間への補償がある場合がある
・孤独死だけではなく行方不明の場合もサポートしてくれる
このような補償を提供していることが多いです。
保証会社により内容がことなるので、あなたにあったプランを提案してもらうとよいでしょう。
・連帯保証人を立てている場合
現代はほとんどの大家さんが保証会社を利用していると思いますが、中には、連帯保証人をたてている大家さんもいると思います。
結論からお伝えすると、孤独死後の原状回復やリフォーム費用は借主の連帯保証人に請求が可能です。
ただし、請求費用は限りがあり全額の請求は難しいのが現状です。
孤独死後の原状回復やリフォームは、通常の工事より作業項目などが増えるため高額になることがほとんどです。
そのため、ほとんどの連帯保証人は素直に支払いをしてくれません。
はっきり言うと「かなり揉めます」。
私は仕事柄、自主管理している大家さんの入居者の連帯保証人と、工事業者として見積もりのご説明をした経験があるのですが、話をまとめるのはかなり難易度が高いと感じました。
なかには、弁護士を立ててくる保証人もいます。
また、長い期間お部屋を貸し出している場合、連帯保証人の高齢化、賃貸契約した時と金銭的事情がかわっていて支払い能力がない場合もあります。
そのため、事前に「孤独死がおきた場合の連帯保証人のリスク」をしっかり理解してもらう必要があります。
連帯保証人がリスクを理解してくれればいいのですが、すべての連帯保証人が受け入れてくれるとは限りません。
そのような場合は、「孤独死保証が付いている保証会社への切り替え」を入居者、連帯保証人にお願いすることです。
保証会社へ切り替えることで、連帯保証人・大家さんともにメリットがあり、入居者も「迷惑をかけないで済む」という心境になります。
長く住んでくれている入居者の場合、「保証料を立て替えている」大家さんもいるくらいです。
家主側からすると金銭的負担・精神的不安を、わずかな保証料を支払うことで回避できれば、自身の身を守る事になるということですね。
■孤独死がおきてしまった時の対処法とは?
それでは実際に孤独死がおきてしまったらどのように対処すればいいのでしょうか?
まず、第一に「警察に通報する」が基本になります。
なぜなら「事件性がある」可能性も捨てきれないからです。
専任の管理会社に委託している場合は、管理会社が手続きを代行してくれますが、自主管理の大家さんは自身で対応する必要があります。
警察に通報し、その後保証会社や連帯保証人に事の説明を伝える必要があります。
あなたの所有物件とはいえ、間違っても合い鍵で勝手に部屋に入らないでくださいね。
■どこをリフォームするべきか?
孤独死が起きてしまった場合どこのリフォームが必要になってくるのでしょうか?
それは3つの作業工程必須になります。
※この解説ではハウスクリーニングは省きます
①臭い取り
人が亡くなり時間が経つと腐敗が進み、独特な匂いがお部屋に充満します。
その為、業務用のオゾン機を使用し消臭・脱臭作業が必要になります。
②クロス・壁紙の貼り換え
クロス・壁紙にも独道な匂いが染みついてしまいます。
そのため、天井・壁と一通りの貼り換えが必要になります
③床の張替え
お亡くなりになられた場所がフローリング・フロアタイル・クッションフロアなどの床ですと、特殊清掃では跡・臭いの除去が難しいので張り替えるのが一般的です。
時間が経ってしまっている場合は、下地にも体液が染み込んでいる場合があるため、下地を交換しなければ臭いがとれないこともあります。
また、和室の畳の場合は、表替えでは匂い除去ができないため新設(交換)する必要があります。
④害虫駆除
夏場になると、室内にウジやハエなどの害虫が発生することがほとんどです。
時期によっては害虫駆除も必要になってきます。
工程として、
・室内害虫駆除
・クロス・壁紙の剥がし
・床の剥がし
・オゾン脱臭・消臭
臭いが気にならなくなってきたら、
・床張り
・クロス・壁紙の貼り
・再度オゾン脱臭・害虫駆除
の順番で作業を進めていきます。
ここで注意点があるのですが、臭いや害虫がひどいため、「窓を開けて換気する」ことは絶対にやめてください。
この臭いや害虫が原因で、既存入居者からのクレーム、最悪退去理由になることがあるためです。
■まとめ
・孤独死が増加している理由
・おきる前の対策・予防
・おきてしまった時の対処法
・リフォームすべき箇所
■最後に
先述したとおり、日本は超高齢化社会に突入しています。
そのため人ごとではなく、大家さんは孤独死問題に真剣に取り組み、対策・予防するのは必須といえます。
万が一あなたの所有する物件で孤独死がおきてしまった時の対処方法として、この記事を投稿しました。
対応や処置の違いが原因で「事故物件」扱いになってしまうと、新しい入居契約の際、「告知義務」が発生してしまいます。
そうしますと、今まで通りの賃料では入居付けするのは難しく、家賃を減額することになり、賃貸経営に支障がでてしまいます。
万が一を考え、この記事があなたの役に立ちましたらうれしいです。
それではまた!