退去精算の見積にモヤッとしていませんか。国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、入居当初への完全復元ではなく経年変化を考慮すること、通常損耗は貸主負担・故意過失は借主負担と明確に示しています。例えば壁紙の耐用年数は6年が目安で、経過年数に応じた残存価値で按分する実務が広く用いられます。
「タバコのヤニで全面張替えと言われた」「エアコン内部洗浄費を一律請求された」など、よくある争点も整理。実際の計算式や3年・6年・7年のケース比較、壁一面のみの面積按分、特約の有効性チェックまで、現場で迷わない判断基準を具体例つきで解説します。
公的ガイドラインと耐用年数の考え方を押さえるだけで、負担割合は大きく変わります。 入退去の撮影ポイントや見積の内訳確認のコツも用意しました。まずは気になる箇所から読み進め、納得できる精算に近づけましょう。
- 国土交通省の原状回復ガイドラインを5分でまるわかり!最新の押さえどころ
- 国土交通省で考える原状回復ガイドラインに基づく耐用年数と負担割合の賢い計算法
- 壁紙やフローリングの原状回復ガイドラインを使った“迷わない現場判断”ポイント
- エアコンや水回り設備の原状回復ガイドラインとクリーニング費用の裏ワザ的整理術
- ペットやタバコによる臭いと原状回復ガイドラインでトラブルを予防するコツ
- 畳や襖と巾木や建具の原状回復と相場の“わかりやすい解説”
- 契約書の特約と国土交通省原状回復ガイドラインを照合して“安心できる契約”を目指す
- 退去前準備で差がつく!原状回復ガイドラインを踏まえた撮影と見積比較のコツ
- 国土交通省の原状回復ガイドラインに関するよくある質問を“ズバリ解決!”
国土交通省の原状回復ガイドラインを5分でまるわかり!最新の押さえどころ
原状回復の定義と自然損耗の考え方
原状回復は「入居当初の完全再現」ではありません。国土交通省の原状回復ガイドラインは、住まいの経年変化や通常損耗は貸主負担とし、故意・過失や通常使用を超える損耗のみ借主負担と整理します。例えば、日焼けや家具設置跡は経年変化として扱われ、借主が負担すべき範囲は限定的です。いっぽうで、タバコのヤニ汚れや水濡れ放置による膨れなどは特別損耗となり、負担対象になります。契約で特約がある場合でも、合理性・明確性・事前合意が要件です。耐用年数の考え方を用いて負担割合を算定するため、壁紙やフローリングは残存価値のみが請求の上限になります。最新の改訂趣旨は、施工範囲の最小化や色合わせの考慮で過剰な全面交換を避けることにあります。
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ポイント
- 通常損耗と経年劣化は貸主負担
- 特別損耗のみ借主負担
- 耐用年数で負担を按分
- 特約は合理性と明確性が必須
簡潔に言えば、借主は「壊した分だけ、減価後で負担」。これがトラブル回避の軸です。
借主負担と貸主負担の線引き
線引きは「通常損耗か、特別損耗か」を具体事例で判断します。主な家財・設備ごとに争点が集中しやすく、国土交通省原状回復ガイドラインでは部位の耐用年数を踏まえた計算が前提です。壁紙はおおむね6年で残存価値が小さくなり、長期入居後は借主負担がほぼゼロとなるケースもあります。フローリングの色褪せや歩行跡は貸主負担ですが、重量物の引きずり傷や液体こぼしの黒ずみは借主負担になり得ます。エアコン内部清掃は通常損耗なら貸主、過度な汚れは借主です。クリーニング費用は特約が明確で妥当な場合に限定され、画一的な一律請求は避けられるべきです。ペットの爪痕やタバコヤニは特別損耗の代表例で、写真記録と入退去チェックが判断の精度を高めます。
| 部位・事例 | 通常損耗の例(貸主) | 特別損耗の例(借主・減価後) | 耐用年数の考慮 |
|---|---|---|---|
| 壁紙・クロス | 日焼け、画鋲穴程度 | ヤニ汚れ、落書き、破れ | おおむね6年で残存小 |
| フローリング・床 | 退色、歩行跡 | 深い傷、へこみ、水濡れ膨れ | 種類により長期 |
| 設備(エアコン等) | 通常の汚れ | フィルター極度汚れ、破損 | 残存価値で按分 |
上の整理を意識し、過剰交換ではなく部分補修を優先することで、請求の妥当性と納得感が高まります。
- 入居時の状態を写真で記録する
- 退去時は部位ごとに通常損耗か特別損耗かを仕分ける
- 耐用年数と残存価値で負担割合を計算する
- 施工範囲は最小限の単位で見積もる
- 特約の有効性(明確・合理・合意)を再確認する
この順序で確認すれば、原状回復ガイドラインに沿った適正な精算が実現しやすくなります。
国土交通省で考える原状回復ガイドラインに基づく耐用年数と負担割合の賢い計算法
素材別の耐用年数と減価の基本
賃貸住宅の退去精算では、国土交通省の原状回復ガイドラインの考え方を基に、素材ごとの耐用年数と残存価値を押さえることが重要です。壁紙(クロス)は目安として約6年で残存価値がゼロに近づき、フローリングや床材はより長期で評価します。畳は表替えや裏返しを念頭に、経年のへたりは通常損耗として貸主負担です。設備は機器ごとの耐用を踏まえ、通常使用の汚れや性能低下は貸主、故意過失や通常使用を超える損耗は賃借人が負担します。減価は経過年数に応じて按分し、必要最小限の補修単位で見積もることが基本です。精算時は素材の性質、使用状況、特約の有無を総合して判断します。
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ポイント
- 通常損耗・経年劣化は貸主負担が原則です
- 故意過失や特別損耗は賃借人が負担します
- 必要最小限の補修範囲で精算します
- 残存価値の考慮で過剰請求を防ぎます
経過年数と残存価値の考え方
原状回復ガイドラインでは、修繕費を「取得価額(または補修費)×残存率」で按分する考え方が用いられます。基本式は残存率=最大〔0,1−経過年数/耐用年数〕です。例えば壁紙の耐用年数6年で補修費6万円、入居3年なら残存率は約0.5となり、賃借人の負担上限は3万円が目安です。6年を超えれば残存率は0となり、通常損耗であれば負担は発生しません。フローリングなど長期耐用の素材は、同じ経過年数でも残存率が高くなるため、特別損耗がある場合の負担割合が相対的に大きくなります。計算は素材別の耐用を当てはめ、特約の妥当性や補修範囲の最小化を同時に確認するとスムーズです。
入居年数別の実計算サンプル
入居年数に応じた負担割合を比較すると、判断の目安が明確になります。以下は壁紙6年、フローリング15年を例に、同額の補修費が発生した場合の残存率を示したものです。通常損耗は貸主負担であり、特別損耗が前提の試算と捉えてください。賃借人の故意過失が疑われるときでも、残存価値に応じた按分を行うのが原則です。精算の場面では、写真記録や入退去チェックリストを活用し、必要最小限の張替えや部分補修で見積もることで、納得感の高い合意を目指せます。ガイドラインの趣旨に沿い、負担割合表のロジックを踏まえて金額を算定することが重要です。
| 素材 | 耐用年数の目安 | 入居3年の残存率 | 入居6年の残存率 | 入居7年の残存率 |
|---|---|---|---|---|
| 壁紙(クロス) | 約6年 | 約0.5 | 0 | 0 |
| フローリング | 約15年 | 約0.8 | 約0.6 | 約0.53 |
補足: 残存率は目安です。実務では補修範囲の最小化や特約の有効性も合わせて確認します。
壁紙やフローリングの原状回復ガイドラインを使った“迷わない現場判断”ポイント
壁紙の変色や小穴やタバコの黄ばみの負担整理
日焼けや時間経過による色あせは通常損耗とされ、貸主負担が原則です。画びょう程度の小穴も賃借人の通常使用の範囲と解されやすく、補修は最小限で足ります。一方、喫煙による黄ばみやヤニ臭は特別損耗となり、賃借人負担での清掃や張替えが求められることがあります。国土交通省の原状回復ガイドラインでは、部分張替えを優先し、全面張替えは色合わせが困難な場合など必要最小限に限定する考え方です。判断の軸は、損耗の原因と範囲、そして経年減価の適用です。築年数や入居年数を踏まえ、残存価値に基づく按分を行うと、不当な全額請求を避けられます。退去立会いでは、入居時の写真と比べて原因を特定し、範囲を明確化してください。以下の要点を押さえると現場判断がぶれません。
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自然変色は貸主負担、喫煙由来は賃借人負担になりやすい
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部分張替え優先、全面はやむを得ない場合のみ
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経年減価を必ず反映し、残存価値のみ負担
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証拠写真と記録で原因と範囲を確認
壁一面張替え時の負担割合の考え方
一部の汚損でも、色や柄の整合が取れず壁一面での張替えが必要になる場合があります。その際も国土交通省の原状回復ガイドラインの考え方は一貫しており、賃借人の負担は「損傷の原因となった範囲」と「経年減価後の残存価値」に限られます。たとえば小面積のタバコ汚れが原因で一面張替えが必要になっても、賃借人は一面全額ではなく、原因部分の影響度を面積按分で評価し、さらに耐用年数に応じた減価を適用して算出します。クロスは一般に耐用年数が短めで、居住年数が長いほど残存価値は小さくなります。請求は「必要最小限」「合理的按分」「減価後」の三点を満たすかを確認しましょう。
| 判断項目 | 実務の目安 | 負担の方向性 |
|---|---|---|
| 原因の区分 | 自然変色/通常損耗か、喫煙等の特別損耗か | 通常損耗は貸主、特別損耗は賃借人 |
| 範囲の決定 | 一部補修で足りるか、一面が必要か | 一面でも面積按分を検討 |
| 経年減価 | 入居年数で残存価値を算出 | 残存価値のみ負担 |
短時間で決めず、写真・見積・材質情報をそろえてから按分と減価を適用すると誤解を避けられます。
フローリングの傷や凹みやワックス剥がれの取り扱い
フローリングは歩行や家具設置による摩耗やワックスの自然な曇りは通常損耗で、貸主負担が基本です。深いえぐれ傷、重量物の引きずりによる溝、水こぼれ放置での膨れなどは特別損耗となり、賃借人の補修負担が生じやすくなります。国土交通省の原状回復ガイドラインでは、まず補修(部分パテ・リペア)を優先し、交換は機能回復が補修で見込めない場合に限るという順序が有効です。判断の手順は次の通りです。
- 原因を特定し、通常損耗か特別損耗かを区分する
- 損耗範囲を測定し、最小単位の補修で回復可能かを検討する
- 交換が必要な場合でも、部材単位やボード単位の最小交換を優先する
- 見積に経年減価を反映し、残存価値のみを賃借人に按分する
- 立会い記録と写真で合意内容を明確化する
ワックス剥がれが清掃不足由来でも、素材や塗膜の劣化が主因なら貸主側での対応が妥当です。凹みや傷は深さ・長さ・機能障害の有無で補修か交換かを見極めると、過大な請求や不要な全面張替えを避けられます。
エアコンや水回り設備の原状回復ガイドラインとクリーニング費用の裏ワザ的整理術
エアコンの内部洗浄と故障の負担判断
エアコンは「日常清掃」と「専門洗浄」を切り分けると判断が速いです。日常清掃はフィルターや吸気口のほこり除去で、賃借人の通常の手入れに含まれます。一方で、分解を伴う専門洗浄は原状回復の必須作業ではなく、故障や著しい汚れの原因が使用起因かを見極めることが大切です。国土交通省原状回復ガイドラインの考え方では、経年劣化は貸主負担、故意過失や通常使用を超える汚損は賃借人負担が基本です。異音や冷えないなどの故障が経年や製品寿命に当たる場合は貸主、ドレン詰まりを放置した水漏れのように注意義務違反が明らかな場合は賃借人が負担します。判断は「経過年数」「使用状況」「点検記録」で整理すると明確です。
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経年劣化は貸主、特別損耗は賃借人が原則
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日常清掃は自己対応、分解洗浄は必要性と原因で判断
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故障は寿命・設置年と使用実態で切り分け
フィルター清掃義務と特約の有効範囲
フィルター清掃は容易に実施できる日常管理として賃借人の範囲に含まれます。国土交通省原状回復ガイドラインの趣旨に合致させるには、特約で手入れ義務を掲げる場合も「具体的作業」「頻度」「費用負担」を明確にすることが有効です。例えば「月1回のフィルター清掃を行い、退去時に未実施で著しい汚損がある場合は実費負担」など、通常清掃を超える費用を賃借人に課すなら合理性と明確性が求められます。機器内部の分解洗浄を一律義務化すると過剰請求になりやすく、耐用年数や経年劣化との整合を欠けば無効と判断されるおそれがあります。写真記録や点検票を残し、負担の因果関係を示せる形にしておくと紛争予防に役立ちます。
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具体性のある特約で合理的な範囲を明示
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通常清掃の未実施が原因の場合のみ実費を考慮
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分解洗浄の一律義務化は避けるのが安全
クリーニング費用の一律請求の是非
退去時クリーニングの扱いは「通常清掃」と「原状回復費」の峻別がポイントです。ガイドラインの基本は、通常使用で生じた汚れは貸主の負担で、賃借人に一律でクリーニング費用を課すには、金額・範囲・根拠が明確な特約が必要です。特約がない、または曖昧な場合は、一律請求は過剰となり得ます。金額の妥当性は広さや作業内容に比例するべきで、実費相当でない定額は争いの火種です。水回りのカビや石けんカスは通常損耗に含まれやすく、放置による著しい汚損が認められる場合に限って賃借人負担が検討されます。耐用年数や負担割合の考え方を踏まえ、見積書や作業内訳を示しながら協議するとスムーズです。
| 判断軸 | 貸主負担になりやすい例 | 賃借人負担になりやすい例 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 経年・通常損耗 | 軽い水垢、一般的なホコリ | 放置で固着した汚れ、悪臭 | 通常清掃は貸主が原則 |
| 特約の明確性 | 金額や作業が不明確 | 金額・範囲・理由が明記 | 明確な特約のみ有効 |
| 必要性・相当性 | 過剰な分解洗浄 | 汚損原因に即した作業 | 実費相当で妥当化 |
過剰請求を避けるコツは、作業の必要性を原因と結びつけ、費用は相当額に絞ることです。
ペットやタバコによる臭いと原状回復ガイドラインでトラブルを予防するコツ
ペットによる引っかき傷や臭いの範囲特定
ペット可物件でも、爪痕や尿染み、強い臭いなどの特別損耗は借主負担になりやすい一方で、通常損耗や経年劣化は貸主負担とするのが原則です。国土交通省の原状回復ガイドラインは、損耗の範囲を“局所か広範囲か”で見極め、施工単位を必要最小限に抑える考え方を示しています。たとえば壁一面ではなく巾木や一部分のクロスだけで回復できるなら、その範囲に限って負担します。臭いは清掃や消臭で回復可能かが判断の軸で、床下や下地に染み込んでいる場合は張替え対象です。負担は耐用年数を考慮して減価され、壁紙は一般に年数経過で残存価値が小さくなります。トラブルを避けるには、入退去での写真記録、損耗箇所の位置と面積の明確化、見積書の施工範囲チェックが有効です。
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ポイント:局所的損傷は最小範囲で補修、広範囲汚損は範囲相応で対応します。
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重要:経年劣化や通常損耗は貸主負担の考え方を押さえます。
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実務:臭いは清掃で回復可能かを先に検証します。
補修は「どこまでが特別損耗か」を線引きし、負担割合は年数と範囲で整理すると話し合いがスムーズです。
タバコのヤニと焦げ跡と消臭の費用
タバコ由来のヤニ汚れや焦げ跡は特別損耗に該当しやすく、借主が負担するのが一般的です。ただし国土交通省の原状回復ガイドラインでは、クロスの全面張替えではなく、色合わせや最小施工単位で回復できるかを優先します。ヤニは洗浄や塗装で回復可能な場合があり、まずはクリーニングや消臭で十分かを確認します。焦げ跡や剥離は素材損傷のため張替えが必要になりやすいですが、負担は耐用年数に応じて減価します。クリーニング費用は、通常損耗分を借主一律負担とするのは適切ではなく、特約がある場合でも合理的な範囲での請求が求められます。事前説明と写真、見積の内訳提示で過剰請求の回避に役立ちます。
| 判断項目 | クリーニングで回復 | 張替えが必要 |
|---|---|---|
| ヤニの変色・臭い | 洗浄・消臭・塗装で改善見込み | 下地まで浸透し色ムラが残る |
| 焦げ跡・剥離 | 表面軽微なら補修塗装 | 素材が焼損・欠損している |
| 負担の考え方 | 特別損耗範囲の実費かつ最小施工 | 耐用年数考慮で減価後の負担 |
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基準:回復可能性が高ければクリーニング優先、不可なら張替えです。
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費用感:特別損耗のみ対象、通常損耗分の一律請求は避けます。
費用と施工の妥当性は、回復可能性と損耗範囲、耐用年数の三点で整理すると合意形成しやすいです。
畳や襖と巾木や建具の原状回復と相場の“わかりやすい解説”
畳の表替えと裏返しの判断基準
畳は使用初期なら裏返し、表面の摩耗や汚れが進んだら表替えが妥当です。国土交通省原状回復ガイドラインの考え方では、日焼けやへたりなどの通常損耗は貸主負担、飲み物の大きなシミや焦げ跡などの特別損耗は賃借人負担が基本です。居住年数が長いほど負担割合は減少し、耐用年数を超えると残存価値が小さくなります。判断の目安として、色あせのみなら裏返し、表面のささくれや擦り切れが広範なら表替えを選びます。相場は地域と素材で変動するため、複数見積もりが安心です。退去時は入居時写真と照合し、負担の線引きを明確にしましょう。
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ポイント:通常損耗は貸主、特別損耗は賃借人
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目安:色あせ中心は裏返し、擦り切れ広範は表替え
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重要:写真記録と見積もり比較で過剰請求を回避
| 対応区分 | 状態の例 | 費用負担の目安 |
|---|---|---|
| 裏返し | 日焼け、軽微な汚れ | 貸主が原則(通常損耗) |
| 表替え | ささくれ、擦り切れ | 状態と年数で按分 |
| 交換 | 焦げ跡、大きな破れ | 賃借人が中心(特別損耗) |
短時間で判断するなら、損耗原因と居住年数をセットで確認するのが効率的です。
襖と巾木と建具の小破損の扱い
襖は紙のたわみや日焼けなら通常損耗で貼り替えは貸主負担、穴あきや落書きは賃借人負担が中心です。巾木は掃除機の擦り傷は軽微補修、深い欠けは部分交換が目安。建具(ドア・クローゼット)は丁番の緩みや経年の軋みは調整で足りますが、蹴込み傷や取手破損は特別損耗として補修範囲を最小単位に限定するのが国土交通省原状回復ガイドラインの趣旨に沿います。交換に踏み切るのは、補修で機能回復しない場合や色合わせが実質不可能な場合です。判断の精度を上げるため、入居時と退去時の写真、発生時期のメモ、見積書の内訳をそろえておくと交渉がスムーズです。
- 軽微補修の基準:機能低下なし、部分補修で美観回復
- 交換の基準:機能不全、広範損傷、色合わせ不能
- 証拠整備:写真と時系列で原因を特定
- 費用按分:経年劣化分を除外して計算
国土交通省原状回復ガイドラインの負担割合の考え方を踏まえ、施工範囲を必要最小限に絞るとトラブルを避けやすいです。
契約書の特約と国土交通省原状回復ガイドラインを照合して“安心できる契約”を目指す
特約の明確性と合理性の確認ポイント
賃貸契約で不安をなくすカギは、特約と国土交通省原状回復ガイドラインの整合です。原状回復ガイドラインは「経年劣化や通常損耗は貸主負担」「故意過失や通常使用を超える損耗のみ賃借人負担」という考え方を明示し、壁紙やフローリング、エアコン、クリーニング費用などの負担範囲を示しています。特約がこの原則に反し一律請求を定める場合は、合理性を欠き無効となるおそれがあります。次のチェックでブレを防ぎましょう。
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対象箇所の特定(壁紙・床・設備などを具体化)
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理由の明記(故意過失や喫煙・ペット等の特別損耗との紐付け)
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金額や算定方法(耐用年数と負担割合の明示、上限設定)
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施工範囲の最小化(部分補修優先、色合わせの合理性)
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クリーニング費用の根拠(特約の有無と範囲、退去時一律請求の可否)
上記は、賃貸住宅のトラブル回避に直結します。特にクロスの耐用年数や床の負担割合表、ペットやタバコの損耗区分は、事前合意で誤解を減らせます。
管理会社への申し入れ文面テンプレート
実務では、書面で冷静に記録を残すことが最善策です。原状回復ガイドラインの趣旨(経年劣化は貸主負担、特別損耗のみ賃借人負担)を踏まえ、特約の明確性と合理性を整えるよう依頼します。以下のテンプレートを、状況に合わせて調整してください。
- 件名は簡潔にし、物件名・部屋番号・氏名を明記することをすすめます。
- 依頼事項は箇条書きで示し、対象箇所・理由・金額・施工範囲の4点を必ず含めます。
- 回答期限と記録化の同意を添えて、メール送信と保管を行います。
- 返答内容に差異があれば、証拠(写真・見積書)を提示し再協議します。
- 合意内容は追記合意書に反映し、双方押印で確定します。
| 項目 | 文面例 |
|---|---|
| 冒頭 | 〇〇不動産 御中〇〇マンション〇号室の△△です。特約の明確化について協議のお願いです。 |
| 依頼 | 原状回復の対象箇所・理由・金額・施工範囲を、国土交通省原状回復ガイドラインの考え方に沿ってご提示ください。 |
| 具体 | 例:クロスは特別損耗時のみ負担、耐用年数に基づく負担割合、部分補修優先、クリーニング費用は特約の範囲を明記。 |
| 期限 | 恐れ入りますが、〇年〇月〇日までに書面回答をお願いします。 |
| 締め | いただいた内容は記録として保管のうえ合意書に反映します。ご確認をお願いいたします。 |
上記の流れなら、感情的な対立を避けつつ、契約の透明性を高められます。特にクリーニング費用やエアコン内部洗浄などは、特約の有無と範囲の記載が肝心です。
退去前準備で差がつく!原状回復ガイドラインを踏まえた撮影と見積比較のコツ
入居時と退去時の同アングル撮影とチェックリスト
退去時のトラブルを避ける近道は、入居時と同じアングルでの証拠撮影です。国土交通省原状回復ガイドラインの考え方に沿い、経年劣化と過失を切り分けられる品質の記録を残しましょう。手順のポイントは次の通りです。
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同アングル・同距離・同焦点で室内四隅から全景を撮る
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キズや汚れは接写と引きの2枚をセットで残す
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メジャーやスケールを写し込み寸法を明確化する
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窓面・床・フローリングの反射が見える角度でも撮る
撮影後はチェックリストで抜け漏れを防ぎます。壁紙やクロス、床、建具、エアコン、換気扇、水回り、ベランダ、ペットやタバコの影響が出やすい箇所を網羅し、原状回復ガイドラインの負担区分に合う説明ができるよう項目化します。退去立会い前に一覧化しておくと、負担割合表の話し合いがスムーズになります。
見積の内訳確認と相見積もりの進め方
見積は数量・単価・範囲の3点を基準に比較します。国土交通省原状回復ガイドラインでは「施工は最小単位」が前提のため、部屋全体交換の妥当性を必ず検討します。相見積もりは最低2~3社で、同一条件で依頼しブレを抑えることが重要です。
| 確認項目 | 着眼点 | 望ましい状態 |
|---|---|---|
| 交換範囲 | 壁一面か部分補修か | 最小範囲の提示がある |
| 単価 | 材料費と工賃の分離 | 内訳が明瞭で比較可能 |
| 数量 | 平米・枚数・時間 | 採寸根拠が写真と整合 |
| 減価償却 | 耐用年数反映 | 残存価値のみを算定 |
| 特約 | 清掃やエアコン等 | 契約記載と一致 |
相見積もりの進め方は次の通りです。1.現況写真とチェックリストを共有、2.交換理由と最小範囲の可否を質問、3.耐用年数と負担割合の根拠を文面でもらう、4.差額の大きい項目を再見積、5.最終案を賃貸住宅の契約と突合します。これでクリーニング費用やフローリング補修などの妥当性を、資料に基づき公平に判断できます。
国土交通省の原状回復ガイドラインに関するよくある質問を“ズバリ解決!”
7年居住時の壁紙の請求可否と負担割合
7年住んだ後の壁紙負担はどうなるのかが最大の関心事です。国土交通省の原状回復ガイドラインの考え方では、壁紙の多くは耐用年数が目安として設定され、経年劣化や通常損耗は貸主負担が基本です。壁紙は目安6年で残存価値が小さくなるため、7年居住なら借主負担は原則ゼロまたはごくわずかにとどまります。タバコのヤニや落書きなどの故意・過失による特別損耗は借主が負担しますが、その場合でも耐用年数を考慮して減額されます。クロス一面の小さな傷で部屋全体を張り替えるような請求は、施工範囲の最小化の原則に反しやすいため要注意です。入居時と退去時の写真や点検記録をそろえ、負担割合の根拠を明確に説明してもらうことがトラブル回避の近道です。
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経年劣化・通常損耗は貸主負担
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故意・過失は借主負担だが耐用年数で減額
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施工範囲は最小限が原則
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写真と記録で根拠確認が有効
クリーニング費用の特約有無で変わる負担
退去時のクリーニング費用は、国土交通省の原状回復ガイドラインの整理が重要です。基本は「原状の回復」と「日常清掃」は区別され、通常損耗のクリーニングを包括的に借主へ一律請求することは困難です。負担が変わる分岐は特約の有無と明確性です。明確で合理的な特約が事前合意され、金額や範囲が具体的で、借主に不当に不利益でない場合に限り、借主負担が有効となり得ます。一方、抽象的な「退去時は一律で清掃費を負担」などの記載だけでは有効性が弱く、個別の汚損がなければ貸主負担が基本です。エアコン内部洗浄などの通常を超える汚れは、状況により借主が負担することがありますが、その際も実費相当と範囲の相当性がポイントになります。
| 判断ポイント | 借主負担になり得るケース | 借主負担になりにくいケース |
|---|---|---|
| 特約の明確性 | 金額・範囲・理由が具体的 | 抽象的で一律請求のみ |
| 汚れの性質 | 故意・過失や著しい汚損 | 通常損耗や経年劣化 |
| 作業内容の相当性 | 必要最小限の作業・実費相当 | 過剰な一括クリーニング |
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特約は具体性と合理性が必須
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通常損耗は貸主負担が基本
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過度な一律請求は避けるべき
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実費相当と必要最小限が目安

